時間に追われ忙しい現代社会に生きる人に読んでほしい一冊。
毎朝会社や学校に行き夜遅くに帰ってきて休日はあっという間に時間が過ぎ去ってしまう毎日。自由に使える時間がなく、好きなことができないまま、人生が終わってしまうと感じている人も多いのではないでしょうか。そんな人たちに読んでもらいたい名著です。
セネカについて
セネカ（紀元前1年頃～65年）は帝政ローマ時代の政治家、ストア派哲学者、詩人。
また、皇帝ネロの家庭教師を務める。後に反逆の疑いで、ネロに自殺を命じられる。
人生の短さについて
セネカは
われわれにはわずかな時間しかないのでなく、多くの時間を浪費するのである。
『生の短さについて』 セネカ 岩波文庫
と説く。
われわれの享ける生が短いのではなく、われわれ自身が生を短くするのであり、われわれは生に欠乏しているのではなく、生を蕩尽する、それが真相なのだ。
『生の短さについて』 セネカ 岩波文庫
人生は十分な時間が与えられているが、多くの人はうまく活用できておらず、自分自身で人生を短くしているのだ。
自分のための時間
誰一人として、みずからのためにみずからを自由にする権利を主張する者はいない。誰もが他人の誰かのためにみずからを費消しているのである。
『生の短さについて』 セネカ 岩波文庫
自分の金を他人に分け与えてやりたいと望む人間など、どこ探してもいない。ところが、自分の生になると誰もかれもが、何と多くの人に分け与えてやることであろう。
『生の短さについて』 セネカ 岩波文庫
人は自分のお金などが他人に奪われそうになると全力で抵抗するが、自分の時間（自由）となると何の疑いもなく、他人に与えてしまう。
自分自身の時間を大切に確保することが人生を長く生きるために重要なのである。
将来に期待するより、今を大事に
生きることにとって最大の障害は、明日というときに依存し、今日という時を無にする期待である。
『生の短さについて』 セネカ 岩波文庫
誰もが永遠に生き続けると思って生き人生のはかなさを考えることもなく、これまでに浪費した時間を気に留めないからである。
忙しさを理由に本当にやりたいことを将来に先延ばしにするのは、愚かなことである。
来るかわからない未来に期待するより、今という時間を大切に生きるべきである。
また、過去を忘れ、現在をおろそかにし、未来を恐れる人たちの生涯は極めて短く不安に満ちている。
自分の生がいかに短いかを知りたければ、自分の生のどれだけの部分が自分のものであるかを考えてみればよいのである。
『生の短さについて』 セネカ 岩波文庫
ほとんどの人は自分の生が自分以外の他人や社会のために浪費されている。
結論
- 人生は短いのではなく、浪費しているから短く感じているのである。
- 人は自分の時間を大切にせず、簡単に何の疑いもせず他人に与えてします。 自分自身の時間を確保することこそが人生を長くするための重要なポイントである。
- 将来の時間（老後の時間）を当てにして生きるのではなく、今を大切に自分のために生きるべきである。
 | 生の短さについて 他二篇 （岩波文庫 青607-1） [ セネカ ] 価格:990円 |
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